口腔と全身の関係について

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「口腔と全身の関係について」について、お話します。

噛んだり話したりするお口の機能は、比較的多くの歯が抜けたまま放置していると低下してゆきます。

これをオーラルフレイルといいます。

オーラルフレイルを放置することで、栄養摂取量が減ったり偏ったりしやすくなります。

具体的には、野菜やお肉などの繊維性食品が食べずらくなり、炭水化物や脂肪の摂取量が増えます。

バランスをとる機能や筋力が低下し、サルコペニアになります。

サルコペニアになると外出なども次第に減ってゆき、心身も耗弱してフレイルになります。

歯が抜けたり、ぐらぐらになる原因は様々ですが、最も多い原因は歯周病です。

歯周病を起こす細菌が血中に入ると動脈硬化症が進行すると共に、血栓ができて、心筋梗塞になることが明らかになっています。

歯周病のケアは、心臓を守る上でも重要といえるでしょう。

また妊婦さんの歯周病は、早産、低体重児出産と関係しています。

初期の歯周病は自覚症状がほとんどありません。

若い方でも生活習慣などで、早くから歯周病になっている方も少なくはありません。

歯周病予防のためにも、定期的に歯医者さんへ行き検診と歯のクリーニングをすることをお勧めします。

歯周病予防の大切さ

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「歯周病予防の大切さ」について、お話します。

お口の中には500~700種類の細菌がいるといわれており、お口のケアを頑張っている人でも1000~2000億個の細菌がすみついています。

これらは主に、出産後に母親や家族などのもつ菌が感染したものです。

歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病です。

日本人の歯を失う原因の3割はむし歯、4割は歯周病です。

歯周病は歯にこびりついた「プラーク(歯垢)」にすみつく「歯周病菌」の繁殖によって起こる感染症で、歯そのものではなく、歯の周りの歯肉に炎症を起こします。

初期の頃は、歯肉炎といわれ、歯ぐきのふちが炎症した状態です。

歯みがきをすると出血したり、口臭があるなどの症状が現れます。

歯肉炎が進行すると歯周病になり、歯槽骨が溶け始め、出血も多くなり、歯がぐらつきはじめます。

最期にははぐきがブヨブヨになり、噛むと痛みを感じます。

歯周病菌が歯ぐきで生じた炎症物質は、歯ぐきの血管から血流にのって全身に感染し、全身でさまざまな影響を起こすことがわかっています。

また歯周病菌が口から直接気管支や肺に入り、呼吸器に悪い影響を与えることもあります。

歯周病予防のために、定期的に歯医者さんで検診を歯のクリーニングをお勧めしています。

当院では、患者さま一人ひとりのライフスタイルに沿って、歯とお口の健康をサポートしています。

どうぞ気軽にご相談ください。

ガムをかむメリットについて

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「ガムをかむメリット」について、お話します。

順天堂大学医学部総合診療科・病院管理学の小林弘幸教授によるロッテの研究によると、ガムを5分間噛むことで、口腔内の免疫グロブリン(lgA)分泌が2.5倍も増加することが確認されました。

ガムを噛むことで味覚刺激と咀嚼刺激が口腔内で相加的に作用し唾液量が増加し免疫グロブリンの分泌が促進された可能性が高いそうです。

唾液中の免疫グロブリンは、口腔内でウィルスや細菌と結合し感染症の予防を担う重要な免疫物質です。

唾液中に免疫グロブリンをしっかり分泌させることはとても重要なことがわかりますね。

ひと息つきたいと思った時に、キシリトールガムを噛んでみるのもよいかもしれませんね。

2021年10月14日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

歯のクリーニングについて

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「歯のクリーニング」について、お話しますね。

歯医者さんで行う「歯のクリーニング」は、通常のブラッシングではなかなか取り除けない「バイオフィルム」と呼ばれる細菌が作った膜を除去することができます。

また、歯ブラシの届きずらい汚れがたまりやすくなっている所もきれいに落とすことができます。

プラークを除去し、しつこいバイオフィルムも除去するので、歯本来の白さを取り戻すだけでなく、むし歯・歯周病の予防にも効果があります。

毎日のブラッシングと定期的な歯のクリーニングで、より健康な歯を維持することができます。

当院の定期健診では、歯に問題がなければ予防処置として歯のクリーニングを行っています。

また歯のトラブルで来院された方には、全ての治療が終了したらメンテナンスとして歯のクリーニングを行っています。

歯のクリーニングを定期的に行うことで、むし歯や歯周病予防につながります。

しばらく歯のクリーニングをしていないと思ったら、一度、かかりつけの歯医者さんに行ってみてはいかがでしょうか。

2021年9月30日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

口腔内の乾燥

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「口腔内の乾燥」について、お話します。

口腔内が乾燥すると、カンジダが発生したり、自浄作用が低下して感染症を引き起こして誤嚥性肺炎になりやすいなど、様々なマイナスが生じます。

口腔内乾燥は、様々な要因で起こります。

更年期以降の女性や若くてもがん治療により早期閉経してしまった女性にとくに顕著に出てくると言われています。

また降圧薬や降コリン薬の使用や酸素投与などによる影響もあります。

口腔内の乾燥が強いと舌の動きがこわばあり発音が不明瞭になってしまいます。

伝わりづらくなれば、患者さん本人ももどかしくなり、話したいという気力が減ってしまいます。

「話す」を支えているのは、潤いのある口腔内といえるでしょう。

保湿ジェルを塗布したり、保湿液をスプレーするだけでも、口渇感はかなり軽減されます。

口腔内の乾燥を感じたら、毎日の口腔ケアだけでなく、日々の中に保湿ケアを取り入れるとよいでしょう。

口腔内の乾燥が気になったら、ぜひ、一度ご相談くださいね。

関連リンク

  • ドライマウスについて
  • (クリニックブログ)薬の服用とドライマウスについて
  • (クリニックブログ)ドライマウスとシェーグレン症候群
  • 子どもの歯周病について

    こんにちは、院長の水野です。

    今日は、「子どもの歯周病」について、お話しますね。

    歯周病は、中高年の病気と思われている方が少なくありません。

    しかし、10代でも歯周病になってしまうことがあります。

    まだ若いうちに歯周病になってしまう方は、原因になる細菌だけでなく、免疫力の弱さも両親から受け継いでいる場合があります。

    ふつうでも、若い方のほうが歯周病は早くすすみますが、遺伝子的に免疫が弱い方だとなおさら進行が早まります。

    歯ぐきが少しでも腫れていると感じたら、一度、歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。

    定期的に歯医者さんへ通い、歯の検診やクリーニングを行うことで口臭予防にもつながりますよ。

    関連リンク

    唾液中のIgAを増やしましょう

    こんにちは、院長の水野です。

    今日は、「唾液中のIgA」についてお話しますね。

    IgAとは免疫物質の一つであるImmunogloburin A(免疫グロブリンA)の略です。

    IgAを増やすには、野菜や穀物、いも類、豆類などに多く含まれる食物繊維や納豆、ヨーグルトなどの発酵食品をとるとよいでしょう。

    唾液中のIgAをしっかり機能させることも大切です。

    毎日の歯磨きで、口腔内を清潔に保つことで唾液中のIgAが機能します。

    定期的に歯医者さんで歯のクリーニングをし、プラークを除去してもらうことも大切です。

    またコロナ禍でマスクをつける生活が続いていますが、マスクをしていると喉の渇きに気づきにくく水分不足になりがちです。

    からだの水分が少なくなれば唾液も減ってしまいます。

    すると唾液中の抗菌成分が口腔内にいきわたらなくなり、病気になるリスクがあがってしまいます。

    2021年6月10日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

    増加する口腔カンジダ症

    こんにちは、院長の水野です。

    今日は、「口腔カンジダ症」について、お話します。

    口腔カンジダ症は、免疫力が低下した方や持病のために薬の服用をしている方が罹患しやすい病気です。

    特に、寝たきりの方や入院患者に多く見られます。

    口腔カンジダ症には、偽膜性カンジダ症、萎縮性カンジダ症、肥厚性カンジダ症と3つの種類があります。

    口腔カンジダ症といえば、白い偽膜が付着している偽膜性カンジダ症をイメージされる方が多いと思います。

    超高齢社会に伴い、薬の服用による薬剤性のドライマウスが口腔カンジダ症に繋がるケースが非常に多くなってきています。

    ドライマウスは、文字通り口呼吸や病気、服薬等により口や喉が乾燥することです。

    口腔内の乾燥や違和感を感じたら、一度、かかりつけ医にご相談してみてはいかがでしょうか。

    関連リンク

    歯磨きの大切さ

    こんにちは、院長の水野です。

    今日は、「歯磨きの大切さ」について、お話しますね。

    歯みがきの一番の目的は、むし歯や歯周病の原因となる「歯垢(プラーク)」を取り除くことにあります。

    「歯垢」は細菌の塊で、水に溶けにくく歯の表面にベッタリとくっついているため、うがいだけでは取り除くことができません。

    「歯垢」が溜まっていくと硬い「歯石」になり、歯磨きでは取り除くことが難しくなります。

    よく患者さんに伝えている、歯磨きのポイントをお話しますね。。

    歯ぐきが健康な方は、“ふつう”の硬さの歯ブラシで大丈夫ですよ。

    硬すぎると歯ぐきを傷つけたり、やわらかすぎると汚れが落ちづらくなります。

    研磨剤が入っている歯磨き粉は、歯が傷ついてしまうため、あまりおすすめはできません。

    歯みがきのタイミングは朝起きた直後、毎食後、寝る前に磨くことが理想ですが、忙しさで十分に時間をとることが難しいかたも少なくありません。

    昼食時などに時間がとれないときは、お茶を飲んだり、口をすすぐだけでも違います。

    また3ヶ月~半年に一度は定期健診で歯医者さんへ行き、歯のクリーニングをすることをお勧めいたします。

    2021年5月6日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

    更年期と口腔環境について

    こんにちは、院長の水野です。

    今日は、「更年期と口腔環境」について、お話しますね。

    更年期でホルモンバランスが崩れると、唾液の量が減少しやすくなります。

    唾液には、口内の保湿や殺菌作用などさまざまな役割があり、唾液が減ることで歯周病やドライマウス、むし歯のリスクが高くなります。

    とくに歯周病は、血液を介して全身に悪影響を及ぼすため、しっかりと予防したいものです。

    歯周病の主な原因は、歯磨きで取り除けなかった細菌のかたまりです。

    これが歯と歯肉の境目にたまると炎症が起き、悪化すると、歯の根を支えている歯槽骨が溶けて、歯が抜けてしまいます。

    また、糖尿病や動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などのさまざまな病気リスクが上がってしまいます。

    歯周病の初期は、歯肉が赤くなり出血しやすくなるものの、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

    しばらく歯医者さんに行っていなかったりお口の中の不調を少しでも感じたら、一度、歯科検診を受けることをおすすめいたします。