こんにちは、院長の水野です。
今日は、「口腔ケアとメタボリックシンドロームの関係」について、お話をしたいと思います。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型肥満をきっかけに動脈硬化のリスクが相乗的に高まっている状態をいいます。
歯周病は歯にこびりついた「プラーク(歯垢)」にすみつく「歯周病菌」の繁殖によって起こる感染症で、歯の周りの歯肉に炎症を起こします。
歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けて出血と共に歯がぐらつきはじめ、最期には歯ぐきがブヨブヨになり、噛むと痛みを感じます。
歯周病菌が歯ぐきで生じた炎症物質は、歯ぐきの血管から血流にのって全身に感染し、全身でさまざまな影響を起こすことがわかっています。
メタボリックシンドロームと歯周病の関連性について検討している久山町コホート研究によると、メタボリックシンドロームの5つの診断基準のうち陽性項目が4つ以上の人は、健常者に比べて歯周病のリスクが6.6倍に上昇していることがわかりました。
また歯周病の人はメタボリックシンドロームになりやすく、悪化しやすいこともわかっています。
歯周病とメタボリックシンドロームの関係は基礎・臨床研究の両側面から実証されてきているようです。
初期の歯周病は自覚症状がほとんどありませんから、厄介ですね。
毎日の歯ブラシに加え、定期的に歯医者さんへ行き検診と歯のクリーニングをすることをお勧めします。