歯周病について

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「歯周病検査」について、お話をしたいと思います。

歯周病は歯の周りの歯周組織に炎症が起こる疾患です。

歯周病は、むし歯と並んで歯科の2大疾患と呼ばれ、歯を失う原因の約50%以上が歯周病を原因としています。

歯周病が進行すると「歯ぐきが腫れて痛い」「歯ぐきから血が出る」「歯がぐらついて食べ物が噛みづらい」「口臭が気になる」などの症状があらわれ、最後には歯を失ってしまいます。

歯周病は、歯周ポケット内のプラークや歯石が主な原因ですが、セルフケアによる歯石の除去は容易ではありません。

初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的に歯の検診やクリーニングで歯医者さんへ行くことが早期発見につながり、適切な治療で進行を抑えることができます。

こちらは、歯周病のチェックリストです。

 □歯ぐきに赤く腫れた部分がある
 □歯ぐきがやせてきた
 □歯と歯の間にものが詰まりやすい
 □歯を磨いた後、歯ブラシに血がついている
 □歯を磨いた後、すすいだ水に血が混じることがある
 □歯と歯の間の歯ぐきが鋭角的な三角形ではなく、うっ血していてブヨブヨしている
 □歯が浮いたよう感じがする
 □指で触ってみて、少しグラつく歯がある
 □歯ぐきから膿がでたことがある

次のチェックリストで1つでも当てはまる方は、一度、歯医者さんで歯の検診を受けてみてはいかがでしょうか。

オーバーブラッシングについて

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「オーバーブラッシング」について、お話をしたいと思います。

歯の汚れを落とすために強い力でみがいてしまい、歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。

2019年3月ライオンの調べによると約6割の人が歯磨きは「強く磨く派」であることがわかりました。

習慣的にオーバーブラッシングを繰り返すと、歯ぐきが下がる、歯ぐきが輪状に盛り上がる、歯の根元表面の一部が欠損するなどのトラブルが生じることがあります。

歯ブラシは軽く持ち、毛先が開かない程度の軽い力で小刻みに動かすにしてブラッシングをなさってください。

実は、汚れをいちばん落とせるのは毛先です。

汚れが残りやすい部位を強い力で無理に磨こうとせず、フロスや歯間ブラシなども併用してプラークを除去すると良いでしょう。

また、定期的に歯医者さんで歯のクリーニングを行うことで虫歯の早期発見や歯周病予防につながります。

ブラッシングの課題

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「ブラッシングの課題」について、お話をしたいと思います。

ブラッシングの課題は何といっても「磨き残し」です。

磨き残しがちな部位を放置することで歯周病やむし歯の原因に繋がります。

磨き残しが多い部位には、「歯と歯の間」や「歯と歯ぐきの境目」などがあります。

「歯と歯の間」は、歯ブラシだけではプラークを除去するのが難しいため、歯間ブラシやフロスを利用するとよいでしょう。

「歯と歯ぐきの境目」は、歯ブラシの当て方をよく注意してブラッシングしたり、ワンタフトタイプブラシを使うのもよいでしょう。

他にも奥歯の裏、歯周ポケットやブリッジ、インプラントの周り、矯正用ブラケット周りなどもプラークが残りやすい部位です。

お子さんの場合は、奥歯の溝も丁寧に仕上げ磨きを行ってください。

磨き残しをゼロにするのはなかなか難しいことですが、磨き残しの多いリスク部位を意識するだけでもプラークの除去率は変わってくると思います。

また定期的に歯医者さんで歯のクリーニングを行うことで虫歯の早期発見や歯周病予防につながります。

セルフケアによる予防力の高め方

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「セルフケアによる予防力の高め方」について、お話をしたいと思います。

簡単なものとしては、定期的に歯ブラシを新しいものに変えることです。

毛先が開いた歯ブラシは、プラークの除去力が大幅に下がってしまいます。

例えば、新品の歯ブラシを使ったプラーク除去率を100%とすると、毛先がかなり開いた歯ブラシでは60%くらいまで低下してしまうというデータがあります。

毛先が開いたり、毛の弾力性がなくなってきたら歯ブラシを交換してはいかがでしょうか。

ブラッシングのこつとしては、毛先を歯の表面にきちんと当てて、軽い力で小さく往復運動するとよいでしょう。

フロスや歯間ブラシなども併用すると、プラークの除去率がUPします。

また、定期的に歯医者さんで歯のクリーニングを行うことで虫歯の早期発見や歯周病予防につながります。

口腔ケアとメタボリックシンドローム

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「口腔ケアとメタボリックシンドロームの関係」について、お話をしたいと思います。

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型肥満をきっかけに動脈硬化のリスクが相乗的に高まっている状態をいいます。

歯周病は歯にこびりついた「プラーク(歯垢)」にすみつく「歯周病菌」の繁殖によって起こる感染症で、歯の周りの歯肉に炎症を起こします。

歯周病が進行すると、歯槽骨が溶けて出血と共に歯がぐらつきはじめ、最期には歯ぐきがブヨブヨになり、噛むと痛みを感じます。

歯周病菌が歯ぐきで生じた炎症物質は、歯ぐきの血管から血流にのって全身に感染し、全身でさまざまな影響を起こすことがわかっています。

メタボリックシンドロームと歯周病の関連性について検討している久山町コホート研究によると、メタボリックシンドロームの5つの診断基準のうち陽性項目が4つ以上の人は、健常者に比べて歯周病のリスクが6.6倍に上昇していることがわかりました。

また歯周病の人はメタボリックシンドロームになりやすく、悪化しやすいこともわかっています。

歯周病とメタボリックシンドロームの関係は基礎・臨床研究の両側面から実証されてきているようです。

初期の歯周病は自覚症状がほとんどありませんから、厄介ですね。

毎日の歯ブラシに加え、定期的に歯医者さんへ行き検診と歯のクリーニングをすることをお勧めします。

毎日の歯みがきのポイント

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「毎日の歯みがきのポイント」について、お話をしたいと思います。

毎食後に丁寧なブラッシングができればもちろん良いですが、勤務中であったり、都度十分な時間をとるのはなかなか難しいかと思います。

よだれには口の中の細菌を洗い流す自浄作用がありますが、寝ている間は唾液の分泌量が減るため、細菌が増殖して歯垢を生成します。

乳歯のお子さんの場合は、1日1回以上の自分で歯みがきと、寝る前に親御さんが仕上げ磨きをしっかりするだけでもむし歯予防に大きく貢献します。

大人の方も寝る前の歯みがきはとても大切です。

就寝前にいつもの歯ブラシにプラスして、洗口液でのうがいや歯間ブラシを使用してはいかがでしょうか。

ま病気や妊娠中のつわりで歯ブラシができない時は、洗口液でうがいをするだけでも違います!

うちのママさんスタッフは、子どものおやつをキシリトールのチョコやアメに変えている方もいました。

毎日のセルフケアにプラスして、定期的な歯医者さんでの検診とクリーニングもおすすめです。

8020達成率

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「8020達成率」について、お話をしたいと思います。

1989年から始まった8020運動によって、80歳で自分の歯が20本以上残っている人は2人に1人以上となり、むし歯や歯周病で歯を失う人が減っています。

2016年に実施された最新の「歯科疾患実態調査」によると、80歳で自分の歯が20本以上残っている高齢者の割合は51.2%になり、過去最高となりました。

この背景には、1日3回以上の歯を磨く人が増え、多くの人が定期歯科検診を受診するなど、口腔に対する健康意識が高まったことがあげられます。

さらに2000年に国際歯科連盟によって提唱された「ミニマルインタベーション治療」の考え方が浸透し、できるだけ歯質や歯髄の健康な部分を残しながらむし歯を治療することが主流になっていることも、8020運動の達成率に貢献しています。

ところで、高齢者の歯の保存率が高まるなか、日本歯内療法学会が20~50代の勤労世代200人を対象にした調査では、40~50代のミドル世代において「再発むし歯」が多いことがわかりました。

歯の神経を抜いた経験がある人は30代で38%、40代で46%、50代で66%という調査結果が出ていますが、神経を抜いた歯は痛みを感じにくく、むし歯に気づくのが遅れやすくなります。

加齢などでヨダレ(唾液)が減少することも、むし歯を再発しやすくする原因と考えられます。

ミドル世代に限らずですが、日ごろのお口のケアとともに定期的な歯医者さんでの歯のクリーニングや検診をすることもおすすめです。

 

2022年8月25日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

おでこ体操

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「おでこ体操」について、お話をしたいと思います。

お口の病気は、初期の自覚症状があまりない方が少なくありません。

むし歯や歯周病もそうですが、とくに「かみにくい」「飲み込みにくい」などのオーラルフレイルは、気づかないうちに進行しています。

飲み込む力が弱いと、飲食物が気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎や窒息につながる危険があります。

高齢者の死因上位にある「誤嚥性肺炎」は、細菌の混じった飲食物や唾液が誤って気管に入り、肺まで侵入して起きる肺炎です。

日頃の口腔内ケアと歯科検診時の歯のクリーニングで、常に口腔内の悪い細菌を減らしておきたいですね。

また「飲み込む力を鍛える」ことも大切です。

飲み込む力(のどの筋力)を鍛えるトレーニング方法の1つに、「おでこ体操」があります。

おへそをのぞくようにあごを引き、おでこに手の付け根を当て、手とおでこを押し合います。

5秒程度行うとよいでしょう。

もちろん「かむ力」も大切です。

むし歯や歯周病で痛くて噛めない状態や入れ歯が合わないまま放置すると、どんどん「かむ力」が弱くなってしまいます。

お口のトラブルは放置せずに、歯医者さんで治療をしましょう。

気になるご症状があれば、まずはかかりつけの歯医者さんを予約してみてはいかがでしょうか。

オーラルフレイルのはじまり

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「オーラルフレイル」について、お話をしたいと思います。

オーラルフレイルの評価は、自分の歯が少ない、硬い食品が食べづらい、むせやすい、食べこぼす、口が乾く、舌の力が弱い、活舌が悪くなった、などの口のささいなトラブルなどをみてゆき、それらが積み重なった状態に進むと「口腔機能低下症」としてその人にあった治療が開始されます。

口腔機能の低下のささいなサインは見逃しやすく、高齢の患者さん自身も老化現象として軽く捉える可能性があります。

症状が気になりはじめた時に、気軽に相談できるかかりつけ医が近くにいると安心ですね。

年に1~2度でも定期健診へいき、口腔内の状況をかかりつけの歯医者さんと共有するとよいでしょう。

筋トレで身体の筋肉が鍛えられるように、口腔機能の維持・向上には舌や口の周りのトレーニングが有効です。

有名なものとして、「パタカラ体操」があります。

しっかりと唇を閉じてから「パッ」、舌を上顎にくっつけて「タッ」、舌の奥に力を入れて喉を締めるように「カッ」、舌の先を前歯の裏につけて舌を丸めるように「ラッ」。

1音1音はっきりと発音し、それぞれ8~10回ずつを目安に数セット行います。

「パタカラ体操」は唾液の分泌を促す効果もありますよ。

さらに首のストレッチで首や肩周りの筋肉の緊張をほぐすこともおすすめです。

首や肩の周囲には嚥下に必要な筋肉が集まっています。

ストレッチで筋肉の緊張がほぐれて血行が促進されると、噛む力や飲み込む力がアップします。

2022年6月16日 | カテゴリー : 予防歯科 | 投稿者 : smile_user

歯の喪失年齢について

こんにちは、院長の水野です。

今日は、「歯の喪失年齢」について、お話をしたいと思います。

2005年の千葉県歯科保健実態調査によれば、男性のワースト1位は左下顎第2大臼歯(58.2歳)、2位は右下顎第1大臼歯(58.3歳)、3位は左上顎第2小臼歯(59.2歳)。

女性のワースト1位は右上顎第2小臼歯(58.8歳)、2位は右下顎第2大臼歯(59歳)、3位は右下顎第1大臼歯(59.5歳)。

調査結果をみる限りでは、歯の喪失年齢は奥歯が上位をしめています。

奥歯の喪失年齢が早いのは、奥歯周辺は狭くて十分な歯みがきがしずらいことも大きな要因と考えられるでしょう。

プラークは、歯ブラシの毛先が当たらないと取り除くことはできず、プラークを放置するとことでむし歯や歯周病になります。

普段の歯ブラシに加え、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用するとよいでしょう。

また、定期的に歯医者さんへ行って、歯のクリーニングや検診をすることもおすすめです。